【講師著書から読み解くビジネスの真髄】⑨

衝撃のニュース

先日、衝撃のニュースが国内をめぐりました。

『厚生労働省は2月28日、2022年日本国内での出生数が前年度比5.1%減の79万9728人で80万人の大台を割ったと発表しました。』

・・・一般社団法人 人口減少対策総合研究所理事長であり、人口減少が日本で起きることを克明に描いた『未来の年表』(講談社現代新書)の著者でもある河合雅司さんはこう言っておられます。

人口の未来は予測ではない。「過去」の出生状況の投影である。この1年間に生まれた子供の数をカウントすれば、20年後の20歳、30年後の30歳の人数はほぼ確実に言い当てられる。』(著書より)

人口減少で懸念されるマーケット縮小、人手不足

製造業・金融・小売・物流など、さまざまな業界をピックアップし、「人口の減少が各業界にどんな影響を与えるのか?」が解説されており、その業界の方が読めば決してモチベーションが上がる内容ではありません。

例えば、「運転手不足で10億トン分の荷物が運べない」「水道料金が月1400円上がる」など。

人口減少がビジネスに与える影響で即座に思いつくことといえば、マーケットの縮小や人手不足だ。日本は国内需要依存型の企業が多いだけに、とりわけマーケットの縮小は死活問題である。今後の日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われるということだ。 』(著書より)

人口減少が与える影響

河合雅司さんの講演もですが、著書を読むと、人口減少が与える影響は「えっ、そんな業界まで?」と思うほど広いことが分かります。

医療業界の「患者不足」や寺院の「檀家制度の崩壊」まで、本当にありとあらゆる業界が萎んでいくんだと、読み進めるうちに気が重くなりますが、自分が将来どういう人生を余儀なくされるのか、明確にイメージすることが出来ます。

人口減少という中での戦略

河合雅司さんは講演でも仰っておられましたが、決して悲観的なことのみを言いたいわけではなく、「人口減少する中で、どうやって経済や企業を成長させるか?」をテーマとして、解説されます。

例えば、これまでビジネスの成功は「他社から国内マーケットのシェアを奪う“量的拡大”」と定義する方が多かったかもですが、縮小する一方の国内マーケットでシェアの奪い合いをしても、成長はありません。

誤った轍を踏まないために、今の事業を「残す事業」と「やめてしまう事業」に仕分け、残す事業に人材と資本を集中させ、事業を特化することが大切だと結論づけます。

正しい情報を知る

物事は捉え方次第です。世の中がどうなろうとも前向きにどうやったら進化していけるのかを模索していくためには、正しい情報を知ることではないでしょうか?

知れば、対策できるのです。

日本社会全体の縮小は避けられないが、その点、先んじて戦略的に縮み、太刀打ちできる体制を整えておけば一緒に沈まずに済む。日本の産業は幅広い。小粒ながらキラリと輝く国を目指すことだ。』(著書より) 

残された時間は少ないですが、「打つ手は残されている」という希望を見いだすことが出来る内容です。

未来の年表 〜人口減少日本で起きること〜』(河合雅司さん

・ベストセラーの先生の講演とあり、お客様の関心も高かったようで集客も良かった。

・著書も読んでいたので、かなり悲惨な内容になるのかなぁ、と思っていましたが、  最悪を知った上でどう対処していけば良いのか?という指針になりました。

・非常に良かった。内容的に分かりやすく表現して下さったし、今後の地方がどうなっていくか?とても興味深く聞かせていただくことが出来ました。

・・・いかがでしょうか?リアル/オンライン講演事業に取り組まれる執行部さんのご参考になれば、幸いです。