【オペレーション日記】vol.232 ~羽生直剛さん~

記憶に残るサッカー日本代表監督

今年はサッカーW杯イヤーです。歴代のサッカー日本代表監督の中でも、記憶に残る監督と言えば、イビチャ・オシム監督ではないでしょうか?

オシム監督と日本代表の関係は、日本サッカーの価値観を大きく変えた“改革期”として語り継がれています。

2006年ドイツW杯後、日本代表の再構築を託されて監督に就任したオシムさんは、日本人の俊敏性と勤勉さを活かした「考えて走るサッカー」を掲げました。選手だけでなくスタッフにも“問い”を投げかけ、状況判断や思考力を鍛える独自のアプローチを導入。ミーティングでは「なぜ?」「どうして?」を繰り返し、チーム全体の思考の質を引き上げました。

オシムチルドレン

わずか1年4か月で病に倒れ退任したものの、選手の自律性を重視する文化や分析的な視点など、オシムさんが残した哲学は現在の日本代表にも受け継がれています。短期間ながら、日本代表の“考える力”を根本から変えた監督でした。

・・・そんなオシム・チルドレンの一人として当時、活躍されていたのが羽生直剛さんです。ジェフ千葉および日本代表でイビチャ・オシム監督の指導を受け、その哲学を「強みの科学(ストレングスファインダー)」と融合させ、企業向け研修や組織開発に応用されています。

- “変化に強い人材・組織”をつくるための思考法をオシム哲学から学ぶ

羽生直剛さんが語る「オシムの教え」は、スポーツの枠を超えてビジネスにも深く刺さる内容でした。特に印象的だったのは、オシム監督が“答えを教えない指導者”だったという話です。練習中、選手に対して「なぜそう動いた?」「誰が助かった?」と問いを投げかけ、考える時間を与える。怒鳴るのではなく、思考を促す・・・羽生さんは「質問に答えようと考えるうちに、自分で判断できるようになっていた」と振り返っておられました。

オシム監督が大切にしていたのは、選手全員を成長させながら勝つこと。与えられたメンバーの強みを見抜き、適材適所をつくり、プロセスを丁寧に評価する・・・結果よりも「意図」を褒める姿勢が、選手の自発性を引き出していたと言います。

羽生さんご自身も「野心を持て」「リスクを冒せ」という言葉を今も大切にされているそうです。

“考える力”の本質

興味深かったのは、羽生さんが語る“考える力”の本質です。オシム監督のもとで学んだのは状況を観察し、判断し、行動する力。そして「行間を読む」「疑う」ことの重要性でした。

日本サッカーの課題として「指示の意図を理解し、自分の判断を持つこと」を挙げていたが、これはそのままビジネスにも当てはまるような気がします。

羽生さんは現在、オシム哲学とストレングスファインダーを融合した企業研修「ivica」を展開されていますが、目指すのは指示待ちではなく、自ら考え動く“自走する組織”。強みを可視化し、関係性の質を高め、自発性を促す環境をつくることが鍵だということです。

講演を通じて感じたのは、変化の激しい時代に必要なのは「正解を知る人」ではなく、「考え続けられる人」だということ。オシムさんの教えは、まさにその力を育てるための哲学でした。

「自走する組織」のあり方

羽生直剛さんが現役時代に師事したオシム監督は、「考えるサッカー」を提唱し、選手に“答え”を与えるのではなく、“問い”を投げかけることで自律的な判断力を育てました。講演では、その指導哲学をベースに、変化の激しい現代社会において必要とされる「考える力」と「自走する組織」のあり方を探ります。

名将イビチャ・オシム監督の哲学を軸に、“自ら考え、動く人材”を育てるためのヒントを提供する内容です。スポーツとビジネスの垣根を越えた、実践的かつ哲学的な講演です。

オシム監督が徹底した「問いで導くマネジメント」「強みを見抜く観察力」「意図を評価する文化」など、羽生さんが肌で感じた“人が育つ組織の条件”を、豊富なエピソードとともに紹介。現在羽生さんが取り組む強み開発プログラム「ivica」での実践知も交えながら、変化の時代に必要な“個を活かす組織づくり”の具体的なヒントをお届けします。

指示待ちから抜け出せない、チームの強みが活かしきれない、関係性が弱く成果につながらない——。そんな課題を抱えるリーダーや人事担当者にとって、明日から実践できる気づきが満載の内容です。

オシム直伝 〜個を活かす組織作りの秘訣〜』(羽生直剛さん

・参加者からは、スポーツの現場で培われた“考える力”の重要性が、ジネスや教育の現場にも通じるという点に強い共感が集まっています。

・“問いかけるリーダーシップ”にハッとさせられた。オシム監督の「なぜそう動いた?」「誰が助かった?」という問いが、部下育成にも応用できると感じた。

・“考える力”は鍛えられるという言葉に勇気をもらった。自分の組織でも“答えを与える”のではなく、“問いを投げる”姿勢を意識したい。

・羽生さんの語り口がとても誠実で、共感できた。やかな経歴よりも、悩みながら考え続けた姿勢に心を打たれた。

・“変化に強い人材”とは、正解を知っている人ではなく、問い続けられる人だと気づいた。VUCA時代に必要な人材像が明確になった。

・スポーツの話なのに、まるで自分の職場の話のようだった。ームビルディングや人材育成に悩む管理職にとって、非常に実践的な内容だった。

・強みを伸ばすと言いながら、実際は弱点克服ばかり求めていたことに気づかされました。羽生さんの実体験とオシム監督の言葉が、組織づくりの本質をシンプルに教えてくれました。

・オシム監督が“問いで導く”という話が印象的でした。
部下が動かないのではなく、考える余白を与えていなかったのは自分だったと反省しました。

・ストレングスファインダーとオシム哲学のつながりがとてもわかりやすかったです。“個の強みを見抜き、組み合わせる”という視点は、まさに現場で必要な考え方だと感じました。

・オシム監督のもとで“考えるサッカー”を体現してきた羽生さんだからこそ、言葉の重みが違いました。エピソードがリアルで、笑いもあり、あっという間の70分でした。