【講師著書から読み解くビジネスの真髄】94

一流が大切にする人間関係とは?

我々日本人は気遣いや心配りはできるが、コミュニケーション力は必ずしも高くないと言われており、その要因は“察する文化”にあると考えられているようです。

「空気を読む」という表現は、ごく当たり前に使われるようになりました。「KY(空気が読めない)」という略語が流行語になるほど、日本人の行動や人間関係に深く根ざしています。

この「空気」を敏感に察知し、和を乱さずに立ち回ることが、社会人としての“賢さ”とされてきました。

・・・察するとは、相手の気持ちを想像し、考えてコミュニケーションをとること。悪いことではないですが、考えていることを口に出す、表現しない限り相手には伝わりません。察してもらうことに依存すると、コミュニケーションはうまくいかなくなるのです。

コミュニケーションは“心を形にする”ことだとすると、いくら察知力が優れていても表現しなければ意味がありません。我々は感謝や謝罪、好意などの“心”を持っていますが、それらが「形」として表現されなければ“心がない“と見なされてしまっても仕方ないのです。

一流が大切にしているのは、こんな考え方

皆さんは、こんな悩みを抱えていませんか? 「上司や部下、後輩と話すのが苦手」、「悪気はなかったのに、会話で相手を傷つけてしまった」、「自分の考えを言葉にすることに苦手意識がある」・・・etc.

何かと悩みの絶えない人間関係、良い人間関係を築く秘訣は「話し方」にあります。

「話し方をよくしたい」という願望の先には、人間関係を円滑にしたいという願望があります。話したことが伝わって初めて、人間関係の構築が始まるはずなのに、
話したことすら伝わらないでは、人間関係を円滑にするまでには至りません。

話したことを伝えるためには、受け手がどう受け取るのかを常に考えて話すことが重要になってきます。

好かれる」と「信頼」のバランス

桑野麻衣さんはANAやディズニーで一流のコミュニケーションやサービスに触れてこられたご経験から、「また会いたくなる一流の人は、好かれることと信頼感をバランス良く持ち合わせている」と仰っておられます。

業界・場面・社内外問わず人望が厚い人は、そのバランスを持ち合わせている特徴があるのです。

例えば人間の感情である喜怒哀楽で言うと、「お会いできて嬉しいです」「今日はとても楽しかったです」・・・など、比較的“喜”“楽”は表現しやすいので、普段言わないことを口にしてみて、慣れてきたら「~と言われて悲しい気持ちになりました」など、“怒“や“”哀”などの感情も言葉にしてみてはいかがでしょうか?

お願いしたいことや直してほしいことも、言葉にしてストレートに伝えたほうが、気持ちの良いコミュニケ―ションにつながります。自分の心だけでなく、相手を正しく理解するように心がけることも大切で、それによって人間関係の悩みやストレスが減り、生きやすくなるはずです。

同著では、どんな人とでも信頼関係の築ける人を「一流」と定義しています。ANAやディズニー、ジャパネットたかたといった幅広いキャリアを持ち、50,000人を教えてきた人気コミュニケーション講師である桑野麻衣さんが書かれた、短時間で信頼を獲得し、「また会いたい!」と言われる話し方を身につける指南書です。

好かれて、信頼される人のコミュニケーション力 〜ANA・ディズニーなど一流のサービスとお客様から学んだコミュニケーション術』(桑野麻衣さん

・相手によってコミュニケーションの仕方を変えることは知っていたものの、男性脳・女性脳の違いやタイプ別コミュニケーションなど、誰に何をどのように変えていいのかが初めてわかり、すぐに実践できるものばかりでした。

・今まで漠然と感じていた自分の欠点がよくわかり、それを改善するための方法もとても具体的でわかりやすかったです。

・出来ていると思っていたコミュニケーションスキルが全然できていないんだと知ることができて良かったです。

・講師の方を見て、好かれて、信頼される人というのはどんな人なのかというのを目の当たりにすることができ、セミナー内容だけでなく話される姿から学び取れました。

・今までに聞いていたような小手先のコミュニケーションスキルというよりも、生き方であったり、相手への気持ちそのものから変えていきたいと心に火をつけていただきました。