【講師著書から読み解くビジネスの真髄】128

人(選手)を育てることを優先

ファイターズの秘密とは、「勝つために“人を育てる”ことを最優先にした、一貫した組織文化と育成システム」です。 選手の個性に合わせた指導、監督が代わっても揺るがない育成方針、挑戦を後押しする心理的安全性、そして競争を成長につなげる環境。この4つが連動し、若手が自然と伸び、スター選手が生まれる仕組みになっている。スポーツを超えて、企業の人材育成にも応用できる普遍的な原理が詰まっている。

北海道移転交渉時の選手会長として球団の変革期を経験した岩本勉さんが、大谷翔平の入団を動かした背景や、ダルビッシュ有・吉川光夫らドラフト1位選手が成長する育成システムを具体的に描き出しています。

ポジション争いのリアル、ファームでの地道な取り組み、そして“ニューヒーロー”と呼ぶ若手選手たちの素質と成長の軌跡が紹介され、更に監督・コーチ陣の連携による一貫した指導方針、選手と家族を含めた“ファミリー意識”の醸成など、常勝チームを支える文化と組織づくりの核心に迫っています。

ドラフト1位が伸びる育成システム

意外に思われるかも知れませんが、ドラフト1位が順調に成長するのは、野球界全体で見ても“かなり難しい”ことです。

その中でファイターズのドラフト1位で入団した選手が順調に成長する背景には、個性を尊重する指導方針と、選手の状態を細かく把握するファームの徹底した育成体制があると語っています。

ダルビッシュ有や吉川光夫らの例を挙げながら、フォーム改良や体づくりを焦らず進める“長期視点の育成”が成果につながったことを紹介しています。

更にコーチ陣が情報を共有し、選手の性格や課題に合わせてアプローチを変える一貫した組織的サポートが、才能を最大限に引き出す仕組みとして機能していると解説。

わくわくドキドキのポジション争い

ファイターズの強さを支える“健全な競争文化”を、具体的なポジション争いのエピソードを通して描く場面もあります。

捕手、一塁手、外野手など、各ポジションで繰り広げられる競争が、選手の成長を大きく後押ししていることを強調しています。競争は単なる椅子取りゲームではなく、「勝ち取る力」と「譲らない覚悟」を育てる場として機能し、若手が一気に台頭する原動力にもなります。

ベテランと若手が互いに刺激し合い、実力主義の中で自分の役割を掴んでいく過程が、臨場感あるエピソードとともに紹介される。こうした“わくわくドキドキ”の競争環境こそが、チーム全体の底上げにつながっていると語られています。

人を育てるチーム方針とは何か

ファイターズには、監督が代わってもブレないよう、球団全体で共有された一貫した指導哲学が存在し、コーチ陣の育成や配置も“選手を伸ばす最適解”から逆算して行われているそうです。

選手の性格・強み・課題を細かく把握し、個別にアプローチを変えるオーダーメイド型の育成が徹底されている点も特徴。加えて選手とスタッフが互いを尊重し合う“ファミリー意識”が、安心して挑戦できる環境をつくり、若手が思い切って成長できる土壌となっているとのことです。

・・・こうした組織的な仕組みこそが、ファイターズが継続的に戦力を生み出す理由なのです。

岩本勉さんの『人を育てるファイターズの秘密』を読んで強く感じたのは、ファイターズの強さは“勝つために人を育てる”という徹底した組織文化にあるという点です。単に才能ある選手を集めるのではなく、個々の性格や課題に合わせて育成方法を変え、監督・コーチ陣が一貫した方針で選手を支える・・・。

この“組織としての育成力”こそが、ダルビッシュ有や大谷翔平といったスターを生み出す土台になっていると実感しましたし、球団の戦略と育成哲学を、16年間在籍した岩本勉さんだからこそ語れるエピソードで紐解く内容となっており、お勧めです。

野球が教えてくれたこと 〜ガンちゃんが語る“野球心”〜』(岩本 勉さん

・講師の軽快な話し方、内容に引き寄せられた。人間関係や生きがい、成功哲学など自己啓発に活用できる内容だった。

・北海道は土地柄 日本ファイターズのファンが多数おり、まさに岩本氏は適任であった。  岩本氏が少年時代から野球にかける情熱、夢を実現させる努力等面白おかしく話され、参考になる講演であった。

・参加者の感想は「明るくて元気をもらえた」「失敗や逆境を前向きに捉える姿勢に勇気づけられた」といった声が多く、子どもから大人まで楽しめる講演だったという評価が目立ちます。

・ヒーローインタビューでお馴染みの「まいどっ!」を交えた軽快な語り口が印象的で、笑いを交えながらも、人生の大切な教訓を伝えるので聞きやすい。

・現役時代のケガや病気、引退後の新しい挑戦についての話が「自分も頑張ろう」と思わせてくれ、「失敗は次の挑戦の糧になる」というメッセージが心に響いた。

・野球ファンはもちろん、野球を知らない人でも「人生の話」として共感できるし、子どもたちには「夢を持つことの大切さ」、大人には「挑戦し続ける姿勢」が響いた。