【講師著書から読み解くビジネスの真髄】57

仕事への情熱とは?

かつて日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、日本が世界で最も優れた国であるという意味を持つ表現をされておりましたが、現在では日本の1人当たりGDPは世界で38位(2024年/IMF資料)であり、凡庸な先進国の一つに過ぎなくなっているのをご存知でしょうか?

1990年代半ば以降、マーケットや技術動向の激変に対応できず、日本企業はかつての競争力を失ったと言われております。

仕事への情熱とは、単に仕事をする以上に、その仕事に対して強く興味を持ち、更に何らかの価値や目的を達成したいと強く感じる状態を指します。この情熱があると、仕事で直面する困難も、ただの障害ではなく、達成感や自分の成長に繋がる挑戦と受け取れます。 

仕事への情熱は、単なる興味を超えて、自分と仕事を繋げる強力なエネルギー源となります。情熱があると、仕事は「使命」に変わります。 

生産性が高まり、働くこと自体から幸せを感じ、周りの人々にも良い影響を与えます。  しかし・・・情熱は一度失うと、なかなか取り戻すのは難しいもの。

なぜ日本のビジネスパーソンは「やる気」を失ったのでしょうか?経済ジャーナリスト/渋谷和宏さんは「『どうでもいい仕事』が蔓延しているからだ。それは経営陣や上司の誤ったマネジメントに深く根差している」と指摘しています。

「どうでもいい仕事」に押しつぶされる会社

驚くべきデータがあるのですが、ある調査では、日本企業の熱意あふれる社員の割合はたったの6%という結果が出ており、これは139カ国中132位で最下位クラスだそうです。信じ難い話ですが、日本の会社員が“やる気”を失った原因は一体何なのでしょうか?

社員のやる気を削ぐような「無意味な仕事」「どうでもいい仕事」がどこまで日本企業にまん延しているのか、あるアンケートを取ったところ半数以上の人が「はい」と答えたそうです。

代表的なのが、「無駄な会議・打ち合わせ」、「無意味な書類提出」 、「無意味な社内ルールの順守」 、「意義が不明な慣例となっている業務」など。

無駄で無意味な仕事のまん延がどれほど社員のやる気を失わせているのか、想像に難くありません・・・心当たりや思い付く方も多いのではないでしょうか?

“無意味な仕事”がまん延した根本原因とは?

ムダで無意味な仕事は、本来やるべき仕事の能率を下げ、成果を損ないます。成果が上がらなければ、「成果主義賃金制度」によって賃金を据え置かれるか、減らされてしまう可能性があり、そうなればやる気は一層くじかれてしまいます。

無駄で無意味な仕事が常態化している職場では、日々の仕事に幸福や楽しさを感じることも多くないでしょうから、社員のやる気と活力を失わせる一因になっています。  

なぜ社員のやる気をくじくような「無意味な仕事」がここまで日本企業にまん延してしまったのでしょうか。そして何故改善の兆しが見えないのでしょうか。

その原因はマネジメントに問題があると渋谷和宏さんは言い切ります。経営陣や上司の誤ったマネジメントに深く根差しているのです。

・・・日本企業のマネジメント(経営・管理・人事)の問題点を丁寧に検証し、日本のビジネスパーソンたちが再び「やる気」を取り戻して、日本企業が復活を遂げるための処方箋となっておりますので、読みごたえがある一冊となっております。

日本経済の行方 〜輝く組織・輝く人とは〜』(渋谷和宏さん

・受講者へのアンケートにおいて、渋谷様の講演内容がとても評価されておりました。受講者の声としましては、「具体例があり分かりやすかった」、「学生にも聞かせたい」など、とても満足して頂けたと思っています。

・渋谷様の講演後に個別相談会があり、その際も渋谷様の講演内容を基にしたお話が多く聞かれた為、今回の目的の達成につながったと思っております。

・経営者を対象とした講演会でしたが、終了後に、とても楽しくお話を聞いた、これからの部下とのやりとりに取り入れたいとの感想を多数いただきました。ソフトな口調で、具体例を交えながらお話をしていただき、1時間があっという間でした。とても良かったです。

・受講者に感想を聞きましたら、聞いて良かったとの声が多かった。  近年の講演の中では役に立ったとの声が多く聞かれた。

・我々の趣旨に的確に応えていただき、狙い通りのご講演をいただいたと考えております。 社会の変革期に対応していく事が命題となっておりますが、どうしても目の前の課題に対応するあまり 視野が狭くなっているのが実態であると考えておりました。  

・求められるイノベーションには、より世の中を俯瞰し社会のニーズを把握し応えていくことが 求められるのだろうとの判断のもと講演依頼をさせて頂きました。

・渋谷先生には実例を交えながらわかりやすくお話し頂けましたし、リーダーに求められるポイントの話では、組合が大切だと言い続けている『人と人のつながりや周囲への思いやり』などについて、あらためてその重要性を説いてくださり、組合員の活動への関与向上にもつながったのではないかと考えます。