-豆腐の引き売り-
豆腐の引き売りをラッパを吹きながら町を歩く姿というのは、昭和時代の方はおぼろげに記憶があるかもですが、平成・令和生まれの皆さんがたは、リアルに見た記憶はないのではないでしょうか?
豆腐屋あこさんは毎日、リアカーで自分の担当する町で豆腐などを売っています。積み込むと80キロ近いリアカーを引いて歩くのは体力的にもハードな商売です。成人男性でも結構厳しいかも知れません。
リアカーという自力で歩く菅谷さんは、お客さまからの「ありがとう」の言葉を交わすために、コツコツと続けているそうです。
季節も天候も関係なく(台風や大雪を除く)続けているのは、豆腐の売り上げが目的ではなく、担当する町の方々との触れ合いを大切にされているという部分に感銘を受けました。
-「ありがとう」の言葉が胸に響く日常への憧れ-
引き売りの豆腐を買われるお客さまというのは、街の高齢者の方々が中心ということで、菅谷さんは日頃高齢者の方々とコミュニケーションを取りながら、豆腐を売っているのです。
若い頃色々あって自分の存在価値を認めてもらえず、自分が何をすればいいのか迷っていた時に、『腕よりも心で販売できる人募集!』という求人広告のキャッチコピーに惹かれ、豆腐の引き売りの仕事に出会ったそうです。
菅谷さんの重く苦しい悩みは、引き売りの仕事を通して、町の中をリアカーで歩いて豆腐を売る中で変わっていったと言います。
Amazonなど、便利にモノが自宅に届く時代に、誰が買ってくれるのか分からないのにその日の出会いを求めて、歩いて売る。仕事へのやりがいというのは勿論ですが、人との交流によって自分を磨き、優しさを持ってアピールを続けています。
-「ありがとう」と言われる仕事のすばらしさ-
仕事だから当たり前だと思ってしていることでも、感謝してくれる人がいて言葉で伝えてくれれば嬉しく感じるものです。
「ありがとう」という言葉は感謝する人にもされる人にも仕事をする上で、良い効果をもたらすと言われています。
「ありがとう」と言われることで、自分がした仕事を認めてもらえた、誰かの役に立ったことを実感できます。仕事に対するモチベーションが上がり、生産性を高められます。
某大学の研究では、幸福な気持ちで仕事をした場合は生産性が12%向上し、不幸な気持ちで仕事をした場合は生産性が10%低下すると報告されています。
人から感謝されると、感謝された側も相手に対して優しい気持ちになり、「こちらこそありがとう」という感謝の気持ちを自然と持てるようになります。
お互いに感謝の気持ちを持てると、相手との信頼関係や絆をより深めることが可能なのです。
-便利な世の中で失いかけている大切なもの-
世の中に、苦情を言われる仕事は山ほどあるし、仕事なのだからやって当然という形のコミュニケーションは多いものです。儀礼的な挨拶のメール、電話などのコミュニケーションetc.。
事務的で機械的なものが当たり前の風潮の中で、「ありがとう」などと言われてしまうと、少しドキッとするのではないでしょうか。
自分のために、何かをしてくれている相手への一言が「ありがとう」という感謝のメッセージなのにあまり耳にしない、口にしていない人が多いもの。
便利な世の中で、お得にモノを手に入れられることで失いかけている何か大切なものがあるのではないでしょうか?・・・同著書を読み、改めてそう強く感じた次第です。
『お豆腐の行商からみつけた幸せの意味 ~私が見つけた本当の居場所~』(菅谷晃子さん)
・現場ではいつも不安で押しつぶされそうな気持ちだったのですが、講演後すごく自信をもって取り組め、楽しめてい ます。これからも自分を認め肯定し、謙虚に、感謝の気持ちを持ち続け”求められる人”になっていきたいです。
・たくさんの学びをありがとうございました!基本から深いところまで学ばせていただくことができました。
・まだ足りないとこも多いですが、この学びをしっかりと身につけ、自然に行動できるように実践していきたいです。