
-部内従業員向け講演会②-
某家電メーカさま主催で部内従業員向けの講演で、川谷潤太さんが招かれました。4時間講演で、開催日を開けての2回講演の2回目です。
強い組織づくりの“本質”をスポーツの現場からわかりやすく紐解く内容で、甲子園出場校や全国制覇チームを指導してきた川谷潤太さんは、成果を生む組織には必ず「共通認識」「習慣化」「一点集中」の3つがあると語ります。

特に、整理整頓や声かけなど“誰でもできる小さな行動”を徹底することが、チームの結束力とパフォーマンス向上につながるという話は印象的でした。スポーツ指導の現場で培った“勝てる組織づくり”のエッセンスを、企業や労働組合でも使える形に落とし込んだ内容が中心です。
-組織力のポイントは個にある-
単に「一人ひとりが頑張ろう」という精神論ではなく、脳科学やメンタルマネジメントに基づいた極めて具体的な戦略を指しています。
創立わずか1年(全員1年生)で甲子園出場を果たした創志学園などの指導経験から導き出された「個」にフォーカスする組織力のポイントは、主に以下の3点に集約されます。

1.「個」のエネルギーが組織の「空気」を作る
組織全体の力は「一人ひとりのエネルギーの総和」ではなく、「一人ひとりのエネルギーの乗算(掛け算)」であると説きます。
2. 「個」の集中力が全体の精度を上げる
組織のミスやトラブルの多くは「見えているつもり」「分かっているつもり」という個人の脳の隙から生まれます。
3. 「組織を変えようとする前に、まず自分(個)の脳と心の使い方を変える
一人の変化が波紋のように広がり、結果として日本一のチームが作られる。
・・・川谷潤太さんの講演では、実際に2人1組で体を動かすワークなどを行い、「個の意識が変わるだけで、これほど力(筋力や柔軟性)が変わるのか!」という実感を伴って「個の重要性」を学べるのが大きな特徴です。
-事実と解釈は違う-
我々が直面する問題の多くは、「起きた出来事(事実)」そのものではなく、それを脳がどう捉えたかという「解釈」によって生じている、という考え方です。脳は「事実」ではなく「解釈」に反応して、体に命令を出します。

同じ出来事でも受け手の捉え方によって意味が大きく変わるということです。事実は一つでも、解釈は無数に存在する。だからこそ、組織では“事実ベースで語る姿勢”がチームワーク向上の土台になる。思い込みや感情に左右されず、共通の事実を共有することで、認識のズレが減り、建設的なコミュニケーションが生まれるというメッセージです。
-チームワークへの応用-
この考え方が浸透しているチーム(甲子園常連校など)では、他人の行動に対しても「事実」で会話するようになります。
・ダメな組織: 「あいつはやる気がない(解釈)」と決めつけ、人間関係が悪化する。
・強い組織: 「彼は今日、一度も挨拶をしなかった(事実)。何かあったのかな?」と、事実をベースにコミュニケーションを取り、無駄な感情の対立を防ぐ。

「事実は変えられないが、解釈は100%自分で決められる」と強調します。 一人ひとりがこの「解釈の主導権」を握ることで、どんな逆境(事実)に直面しても折れない、最強の組織力が生まれるのです。
-組織力(チーム)を強くする3つの力②『集中力』-
1点集中の伝染: チームの中に、周りの雑音を忘れて目の前のプレーや仕事に没頭(フロー状態)している人が一人いると、その高いエネルギーは周囲に「空気感染」します。
「自分」ではなく「相手(対象)」に没頭する ミスをする人の多くは「自分がどう投げるか」「自分がどう捕るか」という「自分(内向)」に意識が向いています。

集中の本質: 自分の手元を見るのをやめ、相手の目や、相手の手から放たれるボールの軌道に100%没頭(外向)した瞬間、脳は勝手に体を動かし、面白いように捕れるようになります。
・・・川谷潤太さんは、甲子園優勝校の指導経験をもとに、強い組織は「技術よりもまず人間関係の質」を高めることが重要だと説きます。選手同士が互いを理解し、認め合い、役割を自覚して行動することでチームワークは飛躍的に向上する。

特に日常の挨拶・声かけ・感謝の共有といった小さな行動の積み重ねが信頼を生み、組織全体の主体性と一体感を育てるので、リーダーは環境づくりと対話を重視し、メンバーの成長を引き出すことが求められる、という締めくくりでした。


『組織力の高め方 〜甲子園・日本一のチームが実践するチームワークアップ術〜』(川谷潤太さん)


・「事実と解釈」を区別する重要性に気づかされました。日々の業務でも、思い込みで判断してしまう場面が多いと実感しました。事実を丁寧に共有するだけで、チームの認識ズレが減り、コミュニケーションがスムーズになるという気づきが得られました。
・チームの“空気”はつくれると感じた講演でした。甲子園常連校の取り組みをビジネスに置き換えて説明してくださり、非常に理解しやすかったです。小さな行動の積み重ねが組織力を高めるという言葉が印象に残りました。
・自分のマネジメントを見直すきっかけになりました。部下との対話で「解釈」を押しつけていたかもしれないと反省しました。事実ベースで話す習慣をチームに浸透させたいと思います。
・前向きな雰囲気づくりのヒントを得ることが出来ました。高校野球の現場で実践されている“声かけ”や“行動の基準づくり”は、職場でもすぐに応用できると感じました。明日から取り入れたい内容ばかりでした。

・組織の成果は「文化」で決まると実感。勝つチームには理由があるという話が非常に納得感がありました。私たちの部署でも、行動基準や価値観を共有する取り組みを進めたいと思います。
・個の力が組織力をアップさせていくという言葉が刺さった。頭では理解していることであるが、実際に話を聞くとやはり感じ方が違った。1点集中、意識の向き、心よりもまずは身体のコンディションの重要性など非常に分かりやすくさせやすい内容だった。
・組織力を高めるためには個の力を高め、意識を同じ方向で高めていくことが大切だと思った。意識改革によって考え方が前向きになるので自分自身も前向きに捉えることを絶えず意識したい。
・集中力について普段より仲々マルチタスクをこなせないなと思っていたのですが、今回改めて講義を聞き、集中力を高めるメソッドなどためになる話をたくさん聞けましたので、早速日々の活動に取り入れたいと思います。


