【オペレーション日記】vol.248 ~去来川敬治さん~

逸走事故対策セミナー

逸走事故(いっそうじこ)とは、 本来あるべき位置から“車両・機械・作業者が意図せず離れて動き出し、制御不能になることで発生する事故”を指します。

代表的な事例として、「車両がサイドブレーキ未操作のまま動き出す」、「重機が誤操作・誤発進で意図しない方向へ動く」、「坂道で荷台や台車が勝手に転がり出る」ようなケースが含まれます。

・・・逸走事故は重大災害につながりやすいため、確実な停止措置・指差呼称・相互確認が重要になります。

ということで、今回『逸走事故対策セミナー』と称して、「車両・重機・フォークリフトなどが意図せず動き出す“逸走”を防ぎ、重大事故を未然に防止するための知識と行動を現場に定着させること」を目的に、去来川敬治さんを講師に招き開催されました。

ヒューマンエラーはこう防ぐ-

去来川敬治さんの講演は人間特性を理解し、現場での“ミスの芽”をどう摘み取るかを体系的に学べる安全教育です。ミスや不安全行動の背景には「知らなかった・出来なかった・やらなかった」という3要因があるとし、まず“なぜ人は間違えるのか”を科学的に整理します。

その上で、危険感受性や危険敢行性といった心理特性を踏まえ、エラーを防ぐための具体的行動(指差呼称、危険予知、情報共有の徹底など)を実践的に解説します。更にチームとして安全行動を定着させるためのコミュニケーションや職場リーダーの役割にも触れ、現場全体で事故ゼロを目指すための行動変容を促す内容です。

リスクの存在と安全第一

「安全」とは、「受け入れ不可能なリスクから解放されていること」と、国際安全規格でそう謳っています。

リスクはゼロにならない”という前提を共有し、だからこそ安全行動を最優先にする必要性を理解させる内容です。現場には常に不確実性があり、設備・環境・人間の状態がわずかに変わるだけで事故につながる可能性があると指摘します。

その上で、リスクを正しく認識し、危険を見える化し、優先順位をつけて対策することが「安全第一」の本質であると解説。更に作業者一人ひとりが“自分の行動が職場全体の安全を左右する”という当事者意識を持つことが、ヒューマンエラー防止の最も効果的な基盤になると強調します。

人は・・・放ったらかしでは期待行動(安全行動)を取らない! リスクを回避し企業目的を達成するため、人の行動の特性を知り、安全行動をとってもらうためのリーダシップの発揮の方法を考えてみよう!

ヒューマンエラーを引き起こす不安全行動とミス

ヒューマンエラーの多くが“個人の能力不足”ではなく、人間の特性が生む不安全行動によって引き起こされると強調します。

代表的な不安全行動として、慣れによる省略・思い込み、焦りや過信、確認不足、危険を過小評価する心理などを挙げ、これらがミスの連鎖を生む仕組みを具体例とともに解説します。

またエラーは単発で起きるのではなく、環境・作業手順・コミュニケーション不足など複数要因が重なって発生する“多層構造”であると指摘。特に「やるべきことをやらない」「知っていても実行しない」といった行動のギャップが事故の核心になると述べます。

更にこうした不安全行動を防ぐには、危険の見える化、指差呼称、声かけ、相互確認など、行動を変える仕組みづくりが不可欠であり、個人任せにしない職場全体の安全文化が重要だと結論づけています。

危険感受性が低いと・・・安全行動はとれない!           そのために危険予知活動等の「危険感知力」を高める活動がある

・・・去来川敬治さんの講演は、現場で起こる不安全行動やヒューマンエラーを「人間特性」と「職場の仕組み」から捉え直す、大変実践的な内容でした。特に、慣れ・思い込み・確認不足といった“誰にでも起こり得る行動”を具体例で示しながら、ミスを防ぐための指差呼称や相互確認、危険の見える化など、すぐに現場で使える対策を丁寧に解説いただきました。

参加者からも「安全の本質が腹落ちした」「職場での声かけを増やしたい」と好評でした。安全文化を根本から強化したい企業・団体に、ぜひお勧めしたい講演です。

不安全行動/ヒューマンエラーはこう防ぐ 〜危険感受性を高め危険敢行性を下げるには〜』(去来川敬治さん

・全体を通して、非常にためになった、持ち帰って展開する、との声も個別で会話した中ではいただいていますので、講習会としては成功したかなと捉えています。

・「非常に具体的でわかりやすかった」「危険行動する人もふざけているのではなく、むしろまじめに仕事をやっている人と聞いてハットした」「危険予知活動に力を入れているが、危険敢行性を下げる取り組みも必要と理解した」「現場リーダーもリモートで多く参加していたと思うので、その方々にもより実感できる話だったのではないか」と、参加者にも好評でした。

・逸走事故の多くが“確認不足”や“思い込み”から始まることがよく分かった。自分は大丈夫という過信が一番危ないと痛感した。

・人間特性を踏まえた説明が非常に分かりやすかった。注意力には限界があるからこそ、指差呼称や相互確認が必要だという話が腹落ちした。

・逸走事故の事例が具体的で、明日からの作業に直結する内容だった。ブレーキ・輪止めの徹底、停止措置の確認など、基本動作の重要性を再認識した。

・安全は“気持ち”ではなく“仕組み”でつくるという言葉が印象に残った。 現場全体で声を掛け合う文化づくりの必要性を感じた。

・リーダーとしての関わり方が明確になった。 部下の不安全行動を“叱る”のではなく、“仕組みで防ぐ”視点を持ち帰りたい。