【オペレーション日記】vol.240 ~佐藤 浩さん~

安全な職場を築くために

株式会社BESTSの代表取締役であり、メンタルトレーナーとして活躍する佐藤浩さんによる安全大会講演は、脳科学の理論を現場の安全管理に応用した、非常に実践的な内容です。 

建設現場や製造現場など、「一瞬の不注意が命取りになる」環境において、いかに「脳の隙」をなくすかに焦点が当てられています。

「集中力」を脳科学で解き明かす→脳の特性: 人間の脳は、同じ作業を繰り返すと「慣れ」が生じ、無意識に省エネモード(手抜き)に入ります。これが「不安全行動」や「見落とし」の原因となります。

コミュニケーションと安全

「言ったつもり」「聞いたつもり」といったコミュニケーションエラーが事故を招きます。 心理的安全性と安全: 現場の空気が重いと、脳はストレスを感じてパフォーマンスが低下します。佐藤浩さんは明るい挨拶や上機嫌なコミュニケーションが、結果としてメンバーの脳を活性化させ、事故防止につながると説いています。

「脳を覚醒させ事故を防ぐ安全装置」と定義されています。 脳はストレスや孤立を感じると視野が狭まり、判断力が低下します。そこで明るい挨拶や「上機嫌」な関わりを通じて現場の心理的安全性を高めることで、メンバーの脳をリラックスさせ、危険に対する感受性を最大化させます。

・・・「言ったつもり」を防ぐため、相手の脳に届く伝え方や、相互に注意し合える「隙のない空気」を創ることが、最強の安全対策になります。

長所を見る

相手の脳を活性化させ、パフォーマンスを最大化させるための「脳科学的な戦略」です。 人の欠点ばかりを指摘すると、相手の脳は防御反応を起こして萎縮し、視野が狭まって事故のリスクが高まります。逆に、長所を認め「承認」を与えることで、脳内にドーパミンが放出され、集中力と判断力が劇的に向上します。

事故防止には“叱って弱点を直す”よりも、作業者の長所に目を向けて伸ばすことが効果的だと強調します。人は長所を認められると脳が活性化し、集中力・判断力が高まるため、安全行動が自然と増えるそうです。

特に現場では、声かけや小さな成功の共有が脳の前向きな状態をつくり、ヒューマンエラーの減少につながるので、リーダーは「できている点」を見つけて言語化し、チーム全体の安全意識を底上げすることが重要です。

体験型ワーク

テニスボールを使うワークは、脳の注意力と瞬時の判断力を高めるための実践トレーニングです。2人1組で向かい合い、相手が投げるボールを予測しながら受け取ることで、脳の「注意の切り替え」と「同時処理能力」が活性化。

相手の動きや投げ方を観察し、呼吸を合わせることで、自然と「相手を意識する姿勢」が生まれます。これは現場で求められる声かけや危険共有と同じ構造で、互いを尊重し合う関係づくりにつながります。楽しみながら信頼感が育ち、安全行動が取りやすい雰囲気をつくる点がポイントです。

2人1組でのバランスチェックや、テニスボールなどを使ったワークを通じ、「意識の向け方一つで、これほど体の強さや反応速度が変わるのか」という驚きを与えます。これにより、受講者の「安全に対する解釈」を根本から書き換えます。

・・・等々、佐藤浩さんの講演は、脳科学の理論を現場の安全管理に応用した、非常に実践的な内容です。 

現場で事故が起こる背景には「不注意」ではなく、脳の働きが低下する“集中力の落ち込み”があると指摘。特に工務店の現場では、単調作業・疲労・思い込みが脳の注意力を奪い、ヒヤリハットの多くが脳の“省エネモード”で発生しがちです。

脳を活性化させるための具体的な方法として、①短時間でできる呼吸法  ②作業前のルーティン化された脳のウォーミングアップ  ③危険ポイントを声に出す「アクティブ注意法」などを紹介されました。

これらは特別な道具を必要とせず、現場で即実践できますし、またリーダーは「叱る安全」ではなく、脳の仕組みに基づいた「仕組みで守る安全文化」をつくることが重要だと述べ、参加者に日々の小さな習慣の積み重ねが事故ゼロにつながると訴えました。

事故を起こさないための集中力の高め方 〜脳活性による安全対策〜』(佐藤 浩さん

・脳の仕組みと安全がここまで結びつくとは思わなかった。集中力の低下がヒューマンエラーの根本にあるという説明は非常に納得感があった。

・現場でできる呼吸法やテニスボールのワークなど、「今日から使える」具体策が多く、社員教育にすぐ取り入れたいと感じた。

・「長所を見る」ことで脳が活性化し、安全行動が増えるという話は、叱責中心の指導を見直すきっかけになった。

・テニスボールのワークを通じて、コミュニケーションの質が安全に直結することを体感できた。現場の声かけの重要性を再認識した。

・管理職として、仕組みで集中力を守る環境づくりが必要だと強く感じた。安全大会として非常に有意義だった。

・講義と実践(体や頭を使った)によって、理解が深まりましたし、参加者同士の交流にもなり、良かったです。60分があっという間に感じました。もう少し聞きたいと思える良い内容でした。

・すぐ使える実践ワークが多くて、眠くならない講演だった。呼吸法や姿勢調整など、1分でできる脳活性ワークが本当に効果を感じた。

・講義だけでなく体験が多いので、集中力が途切れなかった。テニスボールのワークが印象的で、チームの連携の大切さを体感できた。