【オペレーション日記】vol.225 ~花木裕介さん~

働くことの意味、職場のあり方

がんと向き合いながら働いた日々。 もしも、あのとき職場にDE&Iの文化があったなら・・・花木裕介さんが語る、職場の“無意識の壁”と、誰もが働きやすい職場づくりのヒント。

がん罹患を経験した40代社員が語る、職場復帰のリアルと“もしも”の未来。DE&Iの視点から見えてくる、誰もが安心して働ける環境づくりとは?

・・・今回、某企業健康保険組合さま主催で、一般社団法人がんチャレンジャー代表理事であり、中咽頭がんの罹患経験者でもある花木裕介さんのオンライン講演を開催いたしました。

がん罹患という人生の転機を経て、働くことの意味、職場のあり方、そしてDE&Iの本質について語られました。がん罹患という人生の転機を経て、働くことの意味、職場のあり方、そしてDE&Iの本質について語られました。

DE&Iがあれば、もっと安心して働けた

企業におけるDE&I(Diversity, Equity & Inclusion)とは、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)を重視し、すべての人が能力を発揮できる職場環境を整える取り組みです。

DE&Iは単なる人事施策ではなく、企業の持続的成長と社会的責任を果たすための戦略的な取り組みです。企業にとっては、「イノベーションの促進」「人材確保と定着」「従業員のエンゲージメント向上」 などのメリットがあります。

講演の核心は、「もしも当時、DE&Iの考え方が職場にあったなら」という仮定から始まります。

D(Diversity):病気や治療歴も“多様性”の一部として認識されていたら?

E(Equity):一律の制度ではなく、個別のニーズに応じた支援があったなら?

I(Inclusion):病気を抱えていても、安心して「自分らしく」働ける環境だったなら?

・・・花木さんは、産業カウンセラーとしての知見も交えながら、企業が取り組むべき制度設計や風土づくりについて提言されました。

がん罹患と職場のリアル

花木裕介さんが中咽頭がん(ステージ4a)と診断されたのは38歳のとき。治療と仕事の両立に悩みながらも、職場復帰を果たしました。しかし、そこには「見えない壁」があったといいます。

「“配慮”のつもりが、逆に“特別扱い”になってしまうこともある。何が必要かを聞かれずに決められてしまうことが、孤独だった。」

職場の制度や風土が、病気を抱える社員にとってどれほど大きな影響を与えるか——その実体験が語られました。

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)

がん罹患者に対する職場での無意識な偏見や、配慮のつもりが逆に疎外感を生むケースなど、実例を交えて紹介。

DE&Iは“誰かのため”ではなく“みんなのため”

花木裕介さんの講演は、がん罹患という個人の経験を通じて、DE&Iの本質を浮き彫りにするものでした。

病気を抱える社員だけでなく、育児・介護・障がい・LGBTQ+など、さまざまな背景を持つ人々が安心して働ける職場づくり——それがDE&Iの目指す未来です。

「もしも当時、DE&Iの考え方が職場に浸透していたら・・・」という仮定のもと、どのような支援や制度が必要だったかを提言。 企業が取り組むべき制度設計や風土づくりについて、産業カウンセラーとしての視点も交えて解説。

花木さんの語りは、「病気を抱える社員が安心して働ける環境づくり」のヒントを与えるものであり、DE&Iの本質を実感できる貴重な機会となっています。

「DE&Iは“特別な人のため”ではなく、“すべての人のため”の考え方です。」・・・花木裕介さんの言葉が、深く心に残る講演でした。

40代がん罹患社員が語る ~もしも私の周りにDE&Iの環境があったなら〜』(花木裕介さん

・花木さんが語る「勝負の土俵から降りてしまった後悔」や「負けを認められなかった過去」に、多くの参加者が自身の経験を重ねて共感しています。

・がん罹患経験を通じて語られる「寄り添い方」や「言葉のかけ方」に、参加者から「自分も誰かにこうありたいと思った」といった声が寄せられています。

・「やり続ければ失敗も失敗ではない」「負けも本当の意味では負けではない」といったメッセージに励まされたという感想が多く見られます。 

・「職場での支援のあり方を考えるきっかけになった」

・両立支援や職場復帰に関する講演では、管理職や人事担当者から「制度だけでなく、心の支えが必要だと実感した」といった声があり、概ね好評でした。

・ミドル世代のキャリア停滞や評価されない苦しみを語る内容に、「まさに自分のことだと思った」「会社員人生がうまくいかなくても、人生は諦めたくない」という声が多く見られます。

・花木さんが語る「勝負の土俵から降りてしまった後悔」や「負けを認めない自分」に対して、「自分もそうだった」と振り返る参加者が多数おり、全般的に好評でした。

・「やり続ければ失敗も失敗ではない」「負けも本当の意味では負けではない」といったメッセージに励まされたという感想が多く見られます。

・キャリアの限界を感じながらも、人生そのものを諦めないというメッセージに深く共感したという声が多く、開催して良かったと思います。