-トークショー開催-
今回、独立/起業された京谷和幸さん事務所が主催のトークショーにお招きいただき、聴講してきました。
日本のスポーツ界を牽引するアスリートが、あらゆるジャンルの有識者たちと「スポーツ×○○」をテーマに語り合う座談会。周りにチャレンジのきっかけを提供し、共に夢を実現していくことを目指しています。「ついついホンネで語り合ってしまう焚き火トーク」がコンセプトです。
-京谷和幸さんについて-
北海道ご出身の京谷和幸さんは、地元の強豪・室蘭大谷高校サッカー部に入部、1年生から背番号10番を背負い、全国高校選手権に3年連続出場を果たされます。卒業後はジェフユナイテッド市原と契約し、プロサッカー選手になるという夢を叶えた矢先に交通事故で脊髄を損傷、車いす生活となります。
その後出会った車いすバスケットボールで新たな夢を見出し、2000年のシドニーパラリンピックから日本代表入りを果たすと、続くアテネ・北京・ロンドンと4大会連続でパラリンピックに出場。08年の北京大会では日本選手団主将を務められました。
現役引退後は指導者としての道を歩み始め、車いすバスケットボール日本代表アシスタントコーチに就任。2016年リオデジャネイロパラリンピックは指導者としての出場となり、2020年からはヘッドコーチに就任し、東京パラリンピックで車いすバスケット史上初となる銀メダル獲得。指導者として日本の強さを世界に広めました。
-出会いに感謝-
プロサッカー選手という大きな夢を叶えるも、プロサッカー選手という夢が大きすぎて、叶えた後は燃え尽き症候群に陥り、あせり・不安を感じていたところ、結婚式の衣装合わせ当日に交通事故に遭遇。
病院のベッドで目覚めた後の奥様からの入籍申入れ。一日も早く社会復帰するために始めたリハビリでの車椅子バスケットボールとの出会い。愛娘に「うちの父ちゃん、車椅子だけどオリンピック出たよ!」と自慢される父親になりたいという新たな目標と達成までの努力を話されます。
「“夢を持つ”、“行動を起こす”は皆平等で、違いは真剣に取り組む否かであり、行動を起こすことで夢を目標に、そして現実に変えることが出来る。出会いに感謝することは夢を現実にする力になる。」
-指導者としての“チーム作り”-
『最高』と『最低』の目標設定・・・。
車いすバスケットボール日本代表ヘッドコーチに就任した際、チームの目標は「金メダル」でした。しかし「本当に金メダルを目指せる力量なのか?」という疑問があったので、改めてこの目標について選手一人一人と話をしてみたところ、やはり同様の疑問を感じている選手が多数出てきました。
そのためチームの目標を、“最高の目標は金メダル” “最低の目標は決勝トーナメントで1勝(ベスト4)”としました。その意味を「目標設定においては、少し手を伸ばせば届きそうなところを目指すことが大切。手が届くイメージができないものは目標にならない。全員と腹を割って話した結果、最低目標を見据えることにしました。」ということでした。
チームづくりにおいて「個」と向き合いながら挑戦を続ける京谷さんは、選手へのアプローチや取り組み方は、大事にしていることや伝えたいことのキーワードは「受け入れる」「寄り添う」「考えさせる」「言葉にする」など。
経験と実感を交えたリーダー論は、それぞれのレイヤーに響くヒントが沢山見つかる機会となりました。
『車椅子のJリーガー 〜出会いに感謝!出会いの素晴らしさ〜』(京谷和幸さん)
・出会いの素晴らしさを通して、出会いはチャンスであり自分を大きく成長させてくれるきっかけであることを力強く語ってくださり、参加者は熱心に耳を傾けていました。
・講演終了後、実際に京谷さんの車椅子バスケットの実演をしてくださり、シュートやドリブルを披露してくださいました。サプライズとして京谷さんからアドバイスをいただきながら生徒さんにも車椅子バスケットを体験していただきました。会場から溢れんばかりの声援が響き渡り、大盛り上がりでした。
・生きることの素晴らしさや大切さを伝えるきっかけとして大変お薦めの講演会です。
・「共育」と「教育」についての話が印象に残りました。指導者の考え方、生徒やアスリートを指導する人の大切にしていることなど普段聞けないことが聞けたと思います。
・普段お聞きすることのできないような組織についてや、個や組織への育成について学ぶことができ、非常に良い体験となった。 ・今回の講義を通じて、人生のライフスタイルや将来への展望を持つことの重要性、言葉にして伝える方法の工夫なども学ぶことが出来ました。
・自分のイメージしていたリーダー作りとは少し違っていて、大木理論等は確かに理にかなっていると思った。質疑応答の時の、「マイナスを考え続けるよりとにかく挑戦する」などは今の自分に当てはまっているから参考にしようと思いました。