【講師著書から読み解くビジネスの真髄】79

国民的カジュアル衣料ブランド「ユニクロ」

長年、ユニクロでPRとブランディングを担当されていた北沢みささんが執筆された著書です。

今や誰もが知る国民的カジュアル衣料ブランド「ユニクロ」。「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念のもとアジア、アメリカ、ヨーロッパにも展開し、売上規模3兆円を超えるグローバルブランドへと成長しました。

環境負荷が高いとされるアパレル業界にありながら、持続可能な社会の実現を目指し、サステナビリティにおいても世界で注目されるリーダーシップを発揮しています。

・・・この成長と表裏一体となっている25年間のユニクロのサステナビリティへの取り組みをまとめた内容となっております。

地方の1チェーンストアから

かつてユニクロが山口県に本社のある1チェーンストアだった、ということを記憶している人はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?1999年から2024年までの25年間で、地方の1チェーンストアから3兆円超のグローバル企業に急成長したその秘訣は何なのでしょうか。

北沢みささんは、ユニクロが山口県のチェーンストアから全国ブランドに転じようとするタイミングでファーストリテイリング社に入社。初代PRマネージャーとしてブランディングを担当し、全国区の知名度がなかったユニクロを1年間で、認知度90%超の国民的ブランドへと押し上げました。

カリスマ経営者 柳井正氏をはじめとする経営陣の側で、ユニクロの成長を支えてきた“当事者”だからこそ語れる、ユニクロの哲学、成長の裏側、そしてサステナビリティへの取り組み—・・・

1999年から2018年の約20年、ユニクロに勤めていた中で、ユニクロの内部から見た話や、ユニクロの関係者にインタビューした内容が基になっており、とても解像度の高い内容になっています。

ユニクロのサスティナビリティへの取り組み

サスティナビリティとは、「人間活動や自然環境が多様性を失わず、長期的に継続できる能力」という概念を指します。「Sustainability」というつづりの英語で「sustain(持続する)」と「ability(能力)」の二つから成り立つ言葉で、「ずっと保ち続けることができる」という意味です。

同著はすべて関係者へのインタビュー取材に基づいて書かれており、その数は30人以上にものぼります。柳井社長の考えをもとに、そこに共感した人たちが自ら考え、悩みながら、新たな価値を生み出していく過程が、当事者の言葉を通して語られています。

ユニクロの25年間の取り組みが詳しく紹介されており、一つの企業をこういう切り口で紹介する書籍は珍しいのではないでしょうか?

現在のユニクロのサスティナビリティの素晴らしい取り組みが急に誕生したというより、色んな積み重ねがあって、現在の形になっているということがよくわかります。

・・・ユニクロについては、CMや店舗、商品を通じてよく知っている企業なので、そのイメージを持ちつつ、企業の裏側を垣間見ることができるのが面白いです。日常的に接点のある企業なので、楽しみながら読むことができるのではないでしょうか??

ユニクロ成長の軌跡 〜経営者 柳井正の決断と終わることない挑戦〜』(北沢みささん

・企業努力や柳井社長の行動力が素晴らしく、こんなトップがいるユニクロはまだまだ進化していくんだろうなと思いました。

 講演を聞いて私もユニクロの服をリサイクルしようと心に決めた。まずは買うところから始める・・・ユニクロは最高の企業です。

・従業員約30名の生きた証言から会社の社風や魅力が十分に伝わる内容で、とても良かったです。

・柳井氏の欲しいものがいつもある、事業そのものを通して世界を良くするという考え方が重要ということが理解できました。

・絞った品番数、シンプル、需要予測とお客様の声で商品を作る、長持ちする。単発の取り組みでなく、業の存在・コンセプト自体がサステナブルであることが理解できた。

・社会に良いことのひとつに「ものを大事にする」ことを学ぶというのがあると思うのだが、ユニクロが「服に愛着を生むリペア&リメイク」に取り組んでいるのは知らなかった。他も色々興味深い内容でした。

・ユニクロについては、CMや店舗、商品を通じてよく知っている企業なので、そのイメージを持ちつつ、企業の裏側を垣間見ることができるのが興味深かったです。