-「生き方」とは、そこから生まれる「美学」-
今や「人生100年時代」と言われ、確かに寿命は伸びたのかも知れませんが、人生に於いて、死ぬ前に後悔することが、最大の不幸かも知れません。
我々現代人は周囲や他人との比較から「他人の目」を気にしすぎて、「生き方」を置いてきぼりにしてしまっている傾向が大いにあるかも?
「人は、何のために生きるのか?」・・・いきなり聞かれて即答できる人が何割いるでしょうか?生きる目的を知っている人は、比較的人生がうまくいき、充実した人生を送っている気がします。
生きる目的とは、そもそも他人と比べるものではないので、本来数値がつかないものです。数値がつくものは目標に過ぎないのですが、我々は“目標”に囲まれて、一番肝心な“目的”を失っている感は否めません。
ここ最近の企業不祥事を見ても、「何のために生きるのか?」といった目的を失いつつあり、だから美学がないとも言えます。
-生きがい、やりがい-
「やりがい」 は、そのことをするだけの価値とそれに伴う気持ちの張りで、「生きがい」 は生きるに値するもの。 「やりがい」 の場合、自分がとる行動によって相応の評価や見返りを受けることを意味しますが、「生きがい」 にはそのような意味はありません。 自分自身、これがあれば頑張れると思えるものが 「生きがい」 です。
「自分の強みを明確に持っていて、それを活かせる人は、幸せな傾向がある」と言われておりますが、幸せになるためには強みを磨くべきなのです。
美学がないから、自分の中に行動の基準がないので、周りに流され、人生から生きがい・やりがいが消えてしまうのです。
・・・美しいか、楽しいか、かっこいいかという視点が抜け落ちているのです。それを一緒に取り戻そうというのがこの本のメインテーマとなっております。
-矢野阪神を改めて検証-
去年は岡田監督の元、18年ぶりのリーグ優勝・38年ぶりの日本一ということで日本中が湧きましたが、矢野燿大さんが監督をされていた「矢野阪神」はメディアなどで言われているように、本当に成功ではなかったのでしょうか?
選手やコーチたちのやる気と才能を引き出し、2018年には前年最下位だった二軍の阪神をわずか一年で日本一に導きました。
2019年に一軍の監督に抜擢され、前年最下位だった阪神をわずか1年でAクラスの3位に引き上げ、翌年は1つ順位をあげて2位に。翌2021年は両リーグトップとなる勝ち星77勝をあげながら、惜しくもヤクルトスワローズに敗れて2位となりました。
一軍監督就任から3年連続でAクラスに入るというのは57年ぶりのことで、初監督で就任1年目から3年連続Aクラスは77年ぶりの快挙ということなんです。
-矢野野球は負けても感動がある-
『ただ勝つだけじゃ、面白くない。超積極的なプレイそして、あきらめない姿を見せて、かっこよさで魅了する』
・・・これが当時阪神タイガースを率いていた時の矢野監督の美学だったそうです。野球をやる明確な「目的」があり、その目的を実現するために何を大切にすればいいのか?そこから生まれるのが「美学」です。
矢野監督時代、とにかく選手が一方的に失敗がとがめられることはなかったようで、積極的な姿勢で挑んだ失敗に関しては選手に再びチャンスが与えられたようです。矢野監督の考えとして、「かっこよさとは失敗しないことではなく、失敗した後にどう挽回するか?その姿を見せること」だからです。
我々が後悔なく幸せに生きていくためにも、矢野監督のような理想を掲げる人に共感が集まる時代に近づくと良いと個人的には思います。
・・・矢野監督のメンタルコーチである大嶋啓介さんと、作家ひすいこたろうさんが3年かけて矢野監督にインタビューし、紐解いた同著書はビジネスパーソンには是非!読んでいただきたい内容です。