【講師著書から読み解くビジネスの真髄】82

一生懸命取り組むことで、成功は生まれる

著書名『1%の才能』を見てスグ思い出したのが、「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である。」という大発明家 トーマス・エジソンさんの名言です。

・・・努力なくして成功なし。 一生懸命取り組むことで、成功は生まれるという意味の言葉。

サッカー界のみならず野球界やアスリートの世界というのはプロになろうとすると、才能に満ち溢れたいわゆる「化け物」だらけ、というイメージがあります。自分よりも才能豊かな選手が次々とフェードアウトしていく中で、なぜ橋本英郎さんは生き残れたのでしょうか?

著書で多く語られるのは成功体験ではなく、挫折体験となっております。特別な武器を持たずに成功できた秘訣を伝えることで、絶望に打ちひしがれた少年やプロを目指す選手の助けになるような内容だと感じます。

100人中最下層だった僕が日本代表になれた理由

見出しタイトルは、著書帯に書かれたコピーです。ジュニアユース最下位レベルで秀でた能力がなかったにもかかわらず、常に頭を働かせたことで文武両立、プロ入りそして日本代表にまで登りつめ、日本サッカー黄金世代(小野伸二、稲本潤一、小笠原満男、遠藤保仁、本山雅志、遠藤保仁など)の隠れた賢人と言えるかも知れません。

43歳まで現役だった(※2023年1月に現役引退)橋本英郎さんは、プロの世界で成功できる選手は「規格外の才能をもつ選手」と「精神力と思考力のある選手」の2種類だと定義しています。

中田英寿、三浦カズ、中村俊介、久保建英、三苫薫などなど、思い浮かべるだけで錚々たるメンツです。

橋本英郎さんご自身は完全に後者で、育成年代では「誰もプロになれるとは思っていなかった」フィジカルも技術も並の選手でしたが、考え続けることでガンバ大阪で遠藤保仁や稲本潤一とコンビを組み、オシムが指揮する日本代表にまで上り詰めました。

“持たざる者”の一つの成功例を紹介することで、特別な能力がなくてもプロとして成功するためヒントを探ることが出来る内容となっております。

才能を持たざる者

橋本英郎さんはご自身を“才能を持たざる者”として位置づけた上で、そうした人間が生存競争を生き抜くための思考法も紹介されています。ビジネスの現場でも活用できる思考法かも?です。

サッカー選手として誰にでも把握できる能力(空中戦が強い、足が速い、シュートが上手いetc.)はトップレベルではなかったのかもしれないですが、「思考力」という点においては、一流だったと推測できるエピソードが続々と登場します。

そいう観点から見ると、橋本英郎さんは“持たざる者”ではないのかも知れません。

「失敗したプレーは鮮明に脳裏に焼き付いている」、「(映像を観ない代わりに)瞬間で自分のプレーを客観視していた」といった自覚なき才能の記述は興味深い部分でした。

そうした思考力は天賦の才ではなく、習慣や意識付けで誰でも身に付けることができるのです。

サッカー好きのための思考術(自己啓発)本

飾らず、驕らず、等身大の言葉で綴られた文章からは親戚のお兄ちゃんからアドバイスをもらっているような身近さを覚える感覚にもなります。

サッカー本というよりも、サッカー好きのための思考術(自己啓発)本と言えるでしょう。今置かれている環境に物足りなさを感じていたり、今後のキャリアの歩き方を迷っているビジネスパーソンにとってのヒントが詰まっていると思います。

特別な武器を持たずに成功できた秘訣をお伝えすることで、かつて絶望に打ちひしがれたサッカー少年やプロを目指す選手の助けになるのではないでしょうか?

ガンバ大阪をはじめ、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪、AC長野パルセイロ、東京ヴェルディ、FC今治、おこしやす京都ACでプレーし、2023年1月に現役引退され、現在は試合解説等で活躍されています。

講演では、豊富な経験を基に「他責から自責に視点を変えること」「壁にぶつかった時、その壁を乗り越えようとすることだけが正解ではないこと」を熟弁、自分の考え方次第で見えることや周囲との関わり方が大きく変化すること、逃げること=間違いではないことなどを話され、好評です。

プロ生活25年とセカンドキャリアへの思い 〜選手としての苦悩と拘り・・・そしてこれからの私の使命〜』(橋本英郎さん

・自責に視点が変わり、誰よりもひたむきに努力したことが長きにわたり活躍された実績に繋がったのだと感激した。

・自己理解と他者への尊重の大切さを知り、様々なチームで活躍された橋本選手からは、自身の心に刺さるものがあった。

・自分の価値観や他者との違いに気づき、より自己理解を深めたいと思った。 

・ガンバ大阪ジュニアユース時代、100人中最下層から日本代表になるまでに、決して順風満帆ではなく、え努力する事で道を進む過程の中で、サッカーだけでなく、自分自身を見つめる事ができたという部分が自分と共通する点もあり良かった。

・現役時代は明神選手や啓太選手のような玄人好みの渋いプレーヤーだと思っていましたが、講演を聞くとイメージしていたよりはるかに負けず嫌いな方だったことが分かりました。だから日本代表にも選ばれたことに納得です。

・サッカーだけでなく、ビジネスや人生に活かせると感じました!今日は参加して良かったです。