
-子どもを呪う言葉・救う言葉-
「子どもを呪う言葉・救う言葉」ということで、我々大人が日々何気なく使っている言葉が、子どもの心にどれほど大きな影響を与えているのかを改めて考えさせられます。
例えば、叱るつもりが傷つける言葉になってしまうこともあれば、励ますつもりがプレッシャーになることもあります・・・出口保行さんの指摘する“言葉の力”は、子どもの未来を左右する重要な要素であり、大人自身がその使い方を見直す必要性を強く感じます。

・・・同著は、子どもの心に深い影響を与える「言葉の力」を、犯罪心理学の視点から解き明かす一冊です。1万人以上の非行・犯罪に関わった人々を分析してきた出口保行さんは、子どもが傷つき、自己肯定感を失い、将来の行動選択に悪影響を及ぼす“呪いの言葉”の特徴を具体的に示します。
-子どもを「呪う言葉」-
出口保行さんは、1万人以上の非行・犯罪者の心理分析から、子どもの心を深く傷つけ、自己肯定感を奪う言葉を“呪う言葉”と定義しています。これらは一時的な叱責ではなく、子どもの内面に「自分は価値がない」「どうせできない」という否定的な自己イメージを形成し、将来の行動選択や対人関係に影響を及ぼします。

人格否定(「あなたはダメな子」)、比較(「あの子はできるのに」)、可能性を奪う言葉(「どうせ無理」)、感情を否定する言葉(「泣くな」「弱いな」)などが挙げられます。・・・こうした言葉の蓄積が非行や問題行動の背景にあることを示し、大人の言葉が子どもの未来を左右する重大性を強調しています。
-子どもを「救う言葉」-
同著では、子どもの自己肯定感・挑戦力・回復力を育む言葉を“救う言葉”と定義しています。これは単なる励ましではなく、子どもが「自分は大切な存在だ」「やってみよう」と思える心理的土台をつくる言葉です。
具体的には、行動を肯定する言葉(「よく頑張ったね」)、可能性を示す言葉(「やってみよう」)、感情を受け止める言葉(「悲しかったんだね」)、未来志向の言葉(「次はこうしてみよう」)などが挙げられます。

・・・こうした言葉が子どもの脳の発達や行動選択に良い影響を与え、困難に向き合う力を育てると強調します。大人の一言が、子どもの未来を開く“支え”になることを示す内容です。
-大人自身の“言葉の癖”を見直す-
子どもを支える言葉を選ぶためには、まず我々大人自身が無意識に使っている“言葉の癖”を理解し、整えることが不可欠だと指摘します。否定的な言葉が出てしまう背景には、親や教師のストレス、焦り、過去の経験による思い込みが影響しており、それが子どもへの言葉に反映されます。
例えば、「早くしなさい」「なんでできないの」といった言葉は、大人側の不安や余裕のなさから生まれがちです。本書では、大人が自分の感情を客観視し、言葉を選び直すための具体的な方法やセルフケアの重要性を示しています。

このように、大人が変われば、子どもの受け止め方も変わり、健全な成長につながるというメッセージが強調されています。
・・・『犯罪心理学者が教える 子どもを呪う言葉・救う言葉』は、子どもの心に与える“言葉の影響力”を、犯罪心理学の知見から深く理解できる一冊でした。否定的な言葉が子どもの自己肯定感を奪い、将来の行動選択にまで影響するという指摘は非常に重く、日々の何気ない言葉が子どもの未来を左右することを痛感しました。

一方で子どもの可能性を引き出す“救う言葉”の具体例は、家庭や学校で今日から実践できる内容で、大人自身の言葉の癖を見直す重要性にも気づかされます。
同著は、子どもと関わるすべての大人にとって、より良いコミュニケーションの指針となる実践書です。子どもの心を守り、成長を支える言葉を選びたい方にお薦めの一冊です。







