【講師著書から読み解くビジネスの真髄】129

本音を引き出す質問の技術

NHK記者として数多くの取材現場を経験した鎌田 靖さんが、“相手の心を開き、本音を引き出すための質問の技術”を体系化した一冊です。

信頼関係の築き方、相手を尊重する姿勢(エンパシー)、本音を語り出してもらうための聞き方、そして情報収集や準備の重要性を、具体的なエピソードとともに解説します。

鎌田 靖さんは「小手先より誠実さ」「どんな人にも好かれなくてよい」「最初の“へぇ”を引き出す工夫」など、現場で磨いた実践知を紹介。『週刊こどもニュース』で培った“わかりやすく伝える技術”や、三宅民夫さん・恵俊彰さんらの優れた質問力にも触れ、質問とは相手の思考を引き出し、対話を深めるための“姿勢”であると説きます。ビジネス・教育・コミュニケーションなど幅広い場面で役立つ、質問力の本質を学べる内容です。

鎌田 靖さんは、1957年生まれのジャーナリストで、NHK記者・解説委員として特捜事件、阪神・淡路大震災、東日本大震災など数多くの重大報道を担当してきました。社会課題をわかりやすく伝える力に定評があり、『週刊こどもニュース』のお父さん役としても親しまれました。現在はフリーとして講演や執筆を通じ、報道の使命やコミュニケーションの本質を伝え続けています。

信頼関係の築き方

鎌田 靖さんが『最高の質問力』で示す「信頼関係の築き方」は、テクニックよりも“相手に向き合う姿勢”がすべての土台になるという考え方で貫かれています。記者として人見知りだった鎌田 靖さんは、まず相手の立場や状況を丁寧に理解しようとする“エンパシー”が、本音を引き出す最大の鍵だと語ります。

相手を評価せず、否定せず、興味をもって耳を傾けることで「この人には話してもいい」という安心感が生まれる。また事前準備を徹底し、相手の世界を理解しようとする努力そのものが信頼のメッセージになると強調します。信頼は一気に築くものではなく、誠実な態度の積み重ねによって静かに育つものだと説いています。

本音を語り出してもらう技術

「本音を語り出してもらう技術」は、相手の“心の安全地帯”をつくることが質問の核心であるという視点でまとめられています。まず重要なのは、相手を評価せず、否定せず、興味をもって受け止めるエンパシーの姿勢。これにより「この人なら話しても大丈夫だ」と感じてもらえる。

また相手が語りたいテーマを察し、そこにそっと光を当てるような質問を投げることで、本音が自然と流れ出すと説きます。更に沈黙を恐れず待つこと、相手の言葉の“揺れ”や“迷い”に気づき、深掘りの糸口にすることも重要な技術。鎌田 靖さんは、質問とは相手を追い詰めるものではなく、相手自身の思考を引き出す“伴走”であると強調しています。

鎌田 靖さん著書『最高の質問力』は、相手の本音を引き出す“聞く姿勢”の大切さを実感できる一冊でした。 記者としての経験に裏打ちされた「誠実に向き合う」「相手の世界を理解しようとする」という姿勢が、質問の質を決めるという指摘は、日々のコミュニケーションにも直結します。

・・・ビジネスの場で信頼を築き、相手の思考を引き出すための実践的なヒントが豊富で、商談・面談・社内調整などあらゆる場面で役立つ内容として、お勧めの1冊です。

報道の使命とは 〜あのニュースの裏側〜』(鎌田 靖さん

・仕事にも直結する内容で良かった。“事実をどう伝えるか”という報道の視点は、社内報やプレゼン、上司への報告にも応用できると感じた。伝え方の質を見直すきっかけになった。

・社会課題を自分ごととして考えるきっかけになった。貧困・無縁社会などの話が、単なるニュースではなく“現実の人の物語”として響いた。自分の行動や価値観を見直す時間になった。

・難しいテーマなのに、例えや実体験が多く、すっと頭に入ってきた。“週刊こどもニュース”のお父さんの説明力は健在だと感じた。話がとても分かりやすかった。

・報道の裏側にある“事実の選別”や“判断基準”の話は、経営判断と本質的に同じ。曖昧な情報に流されず、軸を持つ重要性を再認識した。

・震災報道の現場での判断や伝え方は、企業のクライシス対応に直結する。“何を、どの順番で、どう伝えるか”の重要性が腹落ちした。

・報道の“伝わる構造”は、社内の情報共有やマネジメントにも応用できる。特に“事実と解釈を分ける”という視点は、組織運営に有効だと感じた。 

・災害時の情報混乱や誤情報の実例は、企業の危機管理に直結する内容だった。“現場で本当に起きること”を知れたのは大きい。

・家族を失った人、生活を立て直そうとする人の話が心に残った。震災を風化させないために、まずは知ることが大切だと感じた。