
-どん底から見えた“生きる力”──足し算で生きることの意味-
同著は、元フジテレビアナウンサー笠井信輔さんがステージ4悪性リンパ腫を発症し、治療・入院・コロナ禍の孤独を経て寛解に至るまでの過程を記した実体験の記録です。
フリー転身直後の突然の告知、過酷な抗がん剤治療、副作用との闘い、家族や医療者の支え、SNSで寄せられた励ましなど、日々の心の揺れを丁寧に描かれ、病気によって失ったものを数える“引き算”ではなく、今日できたことや支えてくれる人を積み重ねる“足し算”の生き方へと価値観が変わっていく過程が本書の核となっています。

・・・どん底の状況でも希望を見出す力、人とのつながりの尊さ、日常のありがたさを読者に強く伝える一冊です。
-がん告知──人生が突然反転する瞬間-
がん告知の場面は、笠井信輔さんの人生が一瞬で反転する衝撃の瞬間として描かれます。フリー転身直後、体調不良の精密検査で「悪性リンパ腫・ステージ4」と告げられ、頭が真っ白になります。仕事の継続、家族への説明、これからの生活etc.・・・

すべてが崩れ落ちるような感覚に襲われ、恐怖と混乱の中で「なぜ自分が?」「なぜ今?」という思いが渦巻き、現実を受け止められないまま病室へ戻ります。その瞬間の心の揺れと、告知がもたらす“人生の断絶感”が同著では克明に記されています。
-入院生活──身体の痛みと心の孤独-
笠井信輔さんが直面した“身体の痛み”と“心の孤独”が、日記のような細やかさで描かれています。抗がん剤治療は想像を超える負担で、強い吐き気、食欲の消失、眠れない夜、体力の急激な低下が続き、日常の動作さえ困難になります。
治療が進むほど気力も奪われ、感情が不安定になり、涙が止まらない日もありますし、更にコロナ禍で面会が禁止され、家族と直接会えない孤独が深まり、加えて病室の静けさが不安を増幅し、「自分はこの先どうなるのか」という恐怖が押し寄せます。

それでも、看護師さんの一言、家族から届くメッセージ、同室者との短い会話が心を支え、小さな希望を積み重ねることで“生きる力”が少しずつ戻っていく過程が丁寧に綴られています。
-寛解──“足し算の人生”への転換-
長い闘病の果てに治療が奏功し、医師から「寛解」という言葉を告げられた瞬間の深い安堵と感謝が描かれています。身体が回復していく実感よりも先に訪れたのは、「生きていることそのものが尊い」という強烈な気づきだったそうです。
病気によって失ったものを数える“引き算”の思考から、今日できたこと、支えてくれた人、前に進めた一歩を積み重ねる“足し算”の生き方へと価値観が大きく転換する・・・再び日常に戻る中で、家族や医療者、友人、SNSで励ましてくれた人々の存在が、自分を生かしてくれた「力」だったと実感されたそう。

寛解はゴールではなく、感謝と希望を抱いて新しい人生を歩み始めるスタートである・・・という、その心の変化が本書のクライマックスとして丁寧に綴られています。
・・・『生きる力 がん寛解までの記録』は、ステージ4悪性リンパ腫という極限状況の中で、人がどのように希望を見出し、前へ進もうとするのかを真正面から描いた一冊です。治療の苦しさや孤独、心が折れそうになる瞬間が率直に綴られ、読み手は「生きるとは何か」を深く考えさせられます。

ステージ4悪性リンパ腫からの生還を通じて、失ったものを数える“引き算”ではなく、今あるものを積み重ねる“足し算”の生き方へ──笠井信輔さんが辿った寛解までの記録は、困難の中でも希望を見出す力を私たちに静かに語りかけてくれますし、多くの人に勇気を与えるはずです。困難に向き合うすべての方に、静かな力を届けてくれる一冊として強くおすすめします。


『足し算で生きる 〜がんステージ4からの生還〜』(笠井信輔さん)


・患者だった当人が話す貴重な体験が聞け、話が明瞭でユーモアもあり、 聞きやすかった。今までの講演で一番良かった。
・患者さんの言葉、介護士の立場から感じたことをそのままの言葉でお話いただき、大変有意義な時間になりました。
・実体験のお話は本当に身に沁みました。明るく話してくださいましたが、大変だったと思います。

・私も今両親の介護をしていますが、とても勉強になりました。認知症でも刺激を与えると、少しずつ変化し良い方向に行く、愛を忘れない、良い人との出会いが 必要である、介護を頑張ろうと思いました。
・講演内容がスクリーンに映し出されてとてもわかりやすかった。介護する側とされる側の両方の大変は大変だったと思うけど、前向き・プラス思考の生き方に学ぶところがたくさんありました。
・ガンの闘病について、当事者でなければわからない事をたくさん教えて頂きました。私の周りにも、闘病中の方がいるので今日のお話を参考にして声掛けや気持ちに寄り添っていきたいと思いました。
・ガン治療に関して考え方が変わりました。家族で話し合う機会を作ります。親子の愛情が伝わってきました。とても素晴らしい講演でした。


