【オペレーション日記】vol.256 田中杏樹さん

組合がハラスメント研修に取り組む目的

労働組合がハラスメント研修を行う意図は、職場の安全網としての役割強化と、組織のリスクを未然に防ぐことにあります。ハラスメントは声を上げにくく、放置すると離職・トラブル・企業の信用低下につながるため、組合が主体的に学びの場をつくることで早期発見と相談のしやすさを高めることが出来ます。

また職場委員が「気づく力」を身につけることで、現場の違和感を拾い、問題の芽を早期に組織へ共有できるようになり、更にセミナーを通じて組合への信頼が高まり、会社との協議でも根拠ある改善提案が可能となります。

結果、組合の存在価値が「福利厚生」から「職場を守る機能」へと進化し、職場全体の心理的安全性向上につながるのです。・・・今回、某製造系労組さま主催で田中杏樹さんをお招きし、ハラスメントセミナーを開催いたしました。

“ズレ”と気づきが導くハラスメント防止の核心

田中杏樹さんの警察官としての現場経験と芸能界での体験をもとに、ハラスメントを生む“ズレ”に気づく重要性を説く内容です。警察学校での「連帯責任」や「女だって意識を捨てろ」といった当時の“当たり前”が、今ではズレとしてハラスメントになり得ることを示し、「良かれと思って」が通用しない時代であると強調されていました。

また芸能界での無償労働や飲み会での強要など、立場の弱さにつけ込む構造的問題を紹介し、2023年の不同意性交罪への法改正に触れ、地位を利用した行為が犯罪になると警鐘を鳴らしました。

組織を守るためには「当たり前を疑う」「まず聞く」「気づく力を育てる」ことが不可欠であり、SNS時代には一人の軽率な行動が会社を壊す可能性があると指摘。最後に「知らなかったではすまされない時代」として、対話と気づきが職場を守る鍵だとのことです。

ハラスメントを生む「ズレ」の正体を知る

「ハラスメントを生むズレ」とは、“自分の当たり前”と“相手の受け取り方”の差が生む危険性のこと。警察学校では「連帯責任」や「女だって意識を捨てろ」といった指導が善意として行われていたが、今の基準では当然ハラスメントになり得ます。

「当時、これが『当たり前』だった」「良かれと思って」が通用しない時代であり、無自覚な言動こそが相手を傷つけると指摘し、現場では加害者が「パワハラされていた」と訴える一方、周囲は「そんな人じゃなかった」と証言するなど、指導とハラスメントの線引きが一致しない“認識のズレ”が問題を複雑化させると言います。

さらに芸能界でも「経験になるから」と無償労働を強いられるなど、立場の弱さにつけ込む構造的なズレが存在し、こうしたズレを放置すると組織の空気が歪み、ハラスメントが生まれます。だからこそ自分の当たり前を疑い、相手を知り、対話を通じてズレに気づくことが組織を守る第一歩となるのです。

組織を守るために必要な「気づく力」

「気づく力」とは、普段見ない視点で職場を見ることで、ハラスメントの芽を早期に察知する力のこと。警察官としての経験から、「普段見ない視点で見ると、見えてくるものがある」と語り、思い込みや先入観が判断を誤らせる危険性を示します。

まず重要なのは、自分の“当たり前”を疑い、言動の前に3秒考えること。次にコミュニケーションを通じて相手を知り、勝手な判断を避ける姿勢。

ハラスメントが多い職場は「コミュニケーション不足の職場」であり、対話がズレを埋める鍵となる。またSNS時代では、一人の軽率な行動が会社に甚大な損害を与えるため、境界意識や判断基準を持つことが不可欠。最終的に、気づく力は対話の中で育ち、組織を守る“最後の防御”となります。

・・・田中杏樹さんの講演は、警察官としての現場経験と芸能界での体験をもとに、ハラスメントが生まれる“ズレ”に気づく重要性を強く実感させる内容でした。

「良かれと思って」が通用しない時代において、自分の当たり前を疑い、相手の立場で考えることの大切さが具体的な事例とともに示され、職場委員としての視点が大きく広がりました。特に、普段見ない角度から職場を見ることで小さな違和感に気づけるというメッセージは、日々の相談対応にも直結する学びでした。

ハラスメント防止を“難しい義務”ではなく、“職場を守るための実践的な気づき”として理解できる内容です。組織の空気づくりや相談しやすい環境づくりに悩む企業・団体にとって、非常に有益なプログラムです。職場の安全と信頼を高めたいお客様に、ぜひおすすめしたい講演です。

元女性警察官が教えるハラスメントについて 〜知らなかったでは すまされません!〜』(田中杏樹さん

・理解しやすい内容でみんな興味を持って全般聞いてくらたかなと思います。人生経験に沿って色々なお話をしてくれたので非常にためになりました。ありがとうございました!

・参加者からは「ハラスメントの定義が明確になった」「自分の言動を見直すきっかけになった」「警察官の視点が説得力ある」といった感想が寄せられています。

・警察官の経験談がリアルで、ハラスメントの怖さが実感できた。実際の現場で起きた事例が紹介され、抽象的な概念が具体的に理解できた。

・“知らなかった”では済まされないという言葉が印象的だった。無意識の言動が加害につながる可能性を強く認識したという声。

・コミュニケーションのあり方を見直すきっかけになった。ハラスメントを防ぐには、日常の言葉遣いや態度が重要だと気づかされた。

・男女問わず共感できる内容だった。女性警察官としての視点が新鮮で、性別に関係なく学びがあると評価された。

・職場のコンプライアンス意識が高まった。管理職や人事担当者からは、組織としての対応の必要性を再認識したという声も。

・ハラスメントの“グレーゾーン”をどう扱うかが分かりやすかった。判断に迷う場面で相談しやすくなった。

・警察官としての経験談がリアルで、座学よりずっと理解しやすかった。自分が無意識に相手を追い詰めてしまう可能性があると気づいた。言葉の選び方を変えたい。

・組合として“予防の仕組み”をつくる視点が得られた。個人の問題ではなく組織課題として扱う必要性を再確認した。相談者が本音を言えない理由や心理が具体的で、窓口の運営改善に役立つ内容だった。